第281章

「ブサイク?」

 女にとって、その二文字は急所を抉る刃だ。

 天瀬姫奈は顔を真っ赤にして逆上し、片手で太郎の後頭部の襟元をつかみ上げた。

「この顔は全部、島宮奈々未のせいよ。あんたのママが作った借り、今日はその息子で清算してやる」

 太郎がじたばたもがく。

「ブス! なんだよ、うちのママに負けた手下かよ。ママに勝てないからって子どもいじめ? ダッサ。恥ずかしー」

 見下すようなその口ぶりが、さらに姫奈の神経を逆なでする。

 今どきの子どもって、こんなに腹立つの?

 太郎は喉を張り上げた。

「たすけてー! たすけてー!」

 姫奈は即座に太郎の口を手で塞ぐ。

「安心しなさい...

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